今回は解説も短めで

1.《時間停止》とスタック上の能力

 「ターンを終了する」処理はスタック上の全てのオブジェクトを追放する。
 追放された能力はコピーでもトークンでもない、カードで示されないオブジェクトである。
 これは状況起因処理で消滅することもない。

#能力はスタック上にあるもの(112.1b)なので追放された時点でそのオブジェクトは能力ではなくなる

2.《ティタニアの歌》とフェイズアウト

 《ティタニアの歌》は戦場から離れてもターン終了時まで効果が持続する特殊な継続的効果を生成する。
 しかし、このカードはルールが変わったフェイズ・アウトを考慮されてなく、フェイズ・アウトしたターンは機能しない。

3.《山賊の頭の間》
{T}, Pay 3 life: Add {1} to your mana pool. If that mana is spent on a creature spell, that creature has haste.
よく見ると能力の解決時に、速攻を持つクリーチャーが固定されていない。
CR611.2cの「その継続的効果が発生した時点で影響を受けるオブジェクトが決定され、それ以降には変更されない。」という部分に合わなくなっている。

#現状のルールのまま、これが機能するように変更するとなると《ヴァーズゴスの血王》のように遅延誘発型能力を生成する必要がある。


#自問中、1と3は確実にルールのバグなんだけど、どうやって報告すべき?

コメント

nophoto
narumi
2011年9月1日19:04

1についてはCRに記載があり,次の状況起因処理のチェック時に消滅します(712.1a).
3については,山賊の頭の間のマナ能力が解決された時点では継続的効果は発生しておらず,生み出されたマナがクリーチャー呪文に使われた時に発生するのではないでしょうか.

BOOOT
2011年9月2日11:51

>narumiさん
>1
712.1aは704.5を参照していますが、704.5の副項目にはどこにも追放された能力が消滅することは明言されていません。
現状、状況起因処理で消滅するのは呪文のコピーとトークンのみです。
ルールの状態がおかしいため、712.1aの後半の記述の意味がありません。

そもそも能力はスタックから取り除かれる場合に特定の領域に置かれるべきではない(608.2a、608.2k、701.5a)ですから、712.1aも能力をスタックから単に取り除いていないのがおかしいのです。

>3
継続的効果は「呪文や能力の解決によって発生するもの」「常在型能力によるもの」の2つに分けられます(CR611.1)。
あなたの主張が正しいとすると、このどちらでもない効果になりますから、それをどうやって適用するか、などのルールが存在していません。
その主張自体を否定することは出来ませんが、それが正しいとすると、この能力はルールに定義されていない挙動するおかしな能力、と言うことになります。

カードがルールのバグであることは疑いようがないと思っていたのですが?

nophoto
narumi
2011年9月2日13:17

>1
追放された能力が消滅するのは状況起因処理でないため,704.5には記載がないのは当たり前です.追放された能力は,状況起因処理ではなく712.1aの後半の処理により消滅します.
「能力はスタックから取り除かれる場合に特定の領域に置かれるべきではない」と仰いますが,あなたが参照しているCRの項目のどこにもそのようなことは書かれていません.602.2aや603.3は,能力がスタックから取り除かれて他の領域に置かれる可能性があることを示唆しています.

BOOOT
2011年9月2日14:15

>narumiさん
状況起因処理ではないのならば実際に状況起因処理をチェックする712.1bに明確に書かれるべきでしょう。
なおさらルールがおかしいです。

>下
>109.1. オブジェクトとは、スタック上の能力、カード、カードのコピー、トークン、呪文、パーマネント、紋章のことである。
ここで十分でしょう。
オブジェクトである能力がスタック上以外に存在するべきではありません。

「追放された能力はオブジェクトではなくなる」という主張もルール上正しいのでしょうが、領域を変更しただけで「オブジェクト」というものではなくなる、という奇怪な挙動になります。
どちらにせよ「ルールがおかしい」です。
これは挙動の正しさとは無関係です。